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☆スタッフITコラム☆
  アマゾンエコーのスキル開発
 By タカ 2017/11/20

 Amazonから日本でも販売が開始されたスマートスピーカーのEchoには、スキルと呼ばれる拡張機能があります。発売と同時に多数の企業がスキルを発表し、日本では現在250以上のスキルが提供されています。
スキルで何ができるのか?という事ですが、すき家のお弁当を注文したり、お掃除ロボットのルンバをWifiで操作したり、タクシーを呼んだり、音声だけで色々な事ができます。例の三井住友銀行の残高照会等のサービスもスキルのひとつです。
 Amazonはそのスキル開発のためのAlexa Skills Kitを提供しています。
 以下、Webからの引用
 「Alexa Skills Kit(ASK)とは、皆様が素早く簡単にAlexaのスキルを追加できるよう、セルフサービスの一連のAPI、ツール、ドキュメント、コードサンプルをまとめたものです。すべてのコードはクラウド側で実行されます。ユーザーの端末には何もインストールされません。ASKを使って、皆様独自のスキルをAlexaに追加することにより、指一つ動かさず声のみで様々なものを操作するという魅力的な音声体験を実現することができるようになるのです。ユーザーは、Alexaが使えるデバイスにただ話しかけるだけで、スキルにアクセスできます。」

Alexaスキルには、主に以下のような種類があります。
カスタムスキル : 汎用のスキル
スマートホームスキル : 家電製品などを制御するスキル
フラッシュブリーフィングスキル : ニュースなどを読み上げるスキル

スキル開発に必要なものは、アマゾンアカウント、AWSアカウントが必要です。
スキルを作成するのはJSONまたはスキルビルダーを利用します。スキルビルダーとはGUIで対話モデルを設定できるIDEです。例えば「パンが欲しい」というインテント作成するとします。サンプル発話としては「パンが欲しい」「パンください」「パンちょうだい」「パンくれ」等の発話サンプルをコードで登録していきます。これがいわゆるフロント部分になります
次に、 AWS Lambda(ラムダ)というバックグラウンドを作成します。ここに、発話に対するファンクションを作成します。例えば、「いらっしゃいませ」「どんなパンが欲しいですか」等の会話を登録します。先ほどのスキルビルダーで作成した発話モデルをトリガーとしてこのファンクションを繋げる事で、簡単な会話モデルを作成する事ができます。「ぱんください」と発話すると、Alexaが「どんなパンが欲しいですか」と答えるわけです。
 また、ブラウザでテストできるAlexa Skill Testing Toolというツールも公開されており、そこでテストできるようになっています。

 このスキル自体でモバイルアプリのような利益を出す事ができるのかというと、今のとこアマゾンからいくつかの条件を満たしたスキルに対して報酬を支払うという形になっており、しかもアメリカ、イギリス、ドイツ在住に限定されており、スキル自体で利益を出すという仕組みではないようです。どちらというとスキルを利用して企業のサービスの付加価値を高める、もしくはコマーシャルの代わりにする、という方向性にあるように思います。まだウェブ上の記事はあまり見つけられなかったのですが、スキルに関するセミナー等の記事もいくつか見受けられました。
日本ではやっと開始されたサービスで、エコー自体がどれぐらい普及するかも今は未知数でありますが、ビジネスチャンスとして利用していこうという動きは盛んになっていくだろうと思います。


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